君が悲しまなければ僕は苦しまずに済むのに、
君と居ると幸せを知って
ベクトルの狂った君の眼は綺麗で、
その世界に入りたくなる
しずか
[ナツだけが、許してくれる]
「気付いたら惹かれている。縛って、現世に」
幽鬼(自覚無し、妖物って自覚はある)
黒髪、着物派
奈津に拾われて奈津の仕鬼(仕える鬼)になった。
口元を覆う面で、牙と歯を生やしてある。顎は出るが鼻は隠してある。
紐と面を繋ぐ部分に赤い房があり、面と紐は焦げ茶。
しょうのなつ
「自壊するくらいなら、俺が飼ってあげる」
「こんなキレイなものが壊れちゃうなんて、我慢出来ない」
妖奇士(あやきし、訛ってあやけしとも)
焦げ茶髪、日常は着物、教育指導も着物、外での仕事の時は袴
術の扱いに長けている。
二つ角の上半分の面で、狐のような目を描いてある。鼻は隠れない。
紐と面を繋ぐ部分に赤い房があり、面と紐は黒。
刀は鍔の無い脇差。符を刃に巻いて使う事がある。
正直、外で仕事するよりは内で教える方が良いな、とか思っている。
時折する寺子屋まがいの事が向いてるな、と思ってる。
鬼を視る事に長けている。ぶっちゃけ面しなくても、そんな怖くない。
生と死のベクトルが健常過ぎる人
つねきけんた
「あのさ、言ってんだろ。折角お前は術が上手いのに、溺愛して何になるんだよ」
「仕鬼なんてこき使うモンだろ。オレでも可愛がってる方だっつの」
奈津の友人で妖奇士
黒髪短髪。ツンツン。袴派
術よりも手が出る。
布面。顔に掛かる部分は鼻先が掛かる程度に長く、常の一文字を直筆で入れている。
白地に赤字。
刀は二刀流用のやや短い刀。
外で仕事する事が好き。
鬼の気配を辿る事に長けている。一度補足すれば何処までも辿れるらしい。
仕鬼を複数飼っているが、全て獣型の鬼。幽鬼を飼うつもりはない。
メインは狗のマコ。他にヤジリやヤグラ等。
生から逸脱した、生物に似たものを鬼、もしくは妖(あやかし)、妖物(あやかしもの)などと呼ぶ。
声に出した言葉で、口から発する語で事象を操る事が出来る。願いを口にする事で、呪いが発動する。
同じように声で事象を操る人間を妖奇士と呼び、職業の一つでもある。
式を操り声を合わせる事で術を操る。
鬼を声で縛る事で仕鬼(しき)にして操る事が出来る。
声で事象を操るので、言葉を操る鬼を士鬼にする時は口を塞ぐ。使う時だけ外す。
口面をさせて飼うのが普通。語を解する鬼でなければ口を塞ぐ必要は無い。
獣であれば武器なので面倒ってのもある。
瞳はその人の総てを映すとされ、素性を隠す為に妖奇士は眼を隠す面や目隠しをする。
鬼と眼を合わせるのは服従し飼った鬼だけ。
鬼は呪いに対価を必要としないが、妖奇士は術にも仕鬼にも必要とする。
自然術の場合はその場だけ、対人術の場合は対象者が生きている限り危険が伴う。
人を呪わば穴二つ。
その為、妖奇士は鬼を飼い、仕鬼に呪わせる事で対価を対仕鬼にだけ集中させる。
危険分子が複数分散し、管理下に置けないよりも、仕鬼に集中させて管理した方が安全だから。
そもそも、従える時は契約まがいの事をする。
仕えて命令に従え、その代わり自分が死ねば喰っても良い、と。
一般的に鬼は生きたまま妖物になったか、妖物として形を得たもの。死んでから鬼になるのは人間と猫だけで、幽鬼という。猫の幽鬼は猫の鬼と一緒に猫叉と呼ばれるので、幽鬼といえば起き上がった死体。
どちらにしろ、妖物に循環器系は無い。血液はあるが循環していない。呼吸はしないが声を出すのに必要。
鬼は一般人に見えるとは限らない。見える鬼も居るし、見えるヤツじゃなきゃ見えない鬼も居る。
見える能力を才と呼ぶ。
術式は札に書いて符となし使う。
奈津は音の無い静雅の言葉を聞く、云う、音のある声を聴く、言う、と呼ぶ。
普段は見る、面越しでは視る。時々観るも、静雅の視線に対しては言う。