ShortStory

R18/人外/キメラxスライム

ショッキングピンクの幸福(前)

色で呼ばれて、返事の代わりに身体を揺らす。珍しいな、と思いつつドヤされる前に触手を伸ばして棚から移動した。
魔族相手の魔族を集めた娼館。男も女も無性体も選び放題。お前が先かよ、なんて仲間の声を聞きつつ、不本意だと返す。
他に人気色のスライムが沢山残ってるのに、オレみたいなドギツいピンクを選ぶなんて。しかも人型にならないで来いときたもんだ。とんだヘンタイなんだろうか、イヤだなあ。それに、プレイと回数じゃなくて時間とか、金持ちだ。
ノックの代わりに(身体に硬質部分が無いのでノック出来ない)ベルを鳴らして指定の部屋に入る。イヤだと思っているせいで進む速度が遅くなった。
フと影が差して視界を上にずらすと巨躯が見えた。掌サイズのオレから他の種族を見れば大概巨躯だ。重くしっかりついた筋肉に酷く圧迫感を覚える。パワータイプの魔族に酷くされた事を思い出して身動き出来なくなったオレに客はにっこり笑った。
「呼んでくれれば手を貸したのに」
は、何言ってんのコイツ。
疑問で身体を揺らしても伝わらなかったらしく、男は簡単にオレを掬いあげて机に乗せた。スライムは初めてなのか、つんつんと指先で触れられたり撫でられたりする。この身体の表面が敏感でなくて良かった。
なんて、ほっとしていると、ツプリと指が頭部にめり込む。途端にゾクリと快感が走って指を締め付けた。指は暫く中を確かめるようにくすぐったりして、身体が震えた。身体を犯した時のように指はあっさり出て行って、濡れないだとか味がしないだとか感想を言う。
「じゃあ、早速で悪いけど奉仕してもらおうか」
寧ろ遅い方だ、なんて思いながらローブの前が捲られてぎょっとする。
デカイ。
椅子と比較して背は小さいと思ったのに、ズボンの上からでも判る巨根。
「驚いた?このせいで突っ込める相手が見付からなくて、キミで筆下ろし。ヨロシクね」
不釣合いな笑顔に震えつつ、触手を伸ばした。


身体の上から擦られる。広げた身体でペニスを包み込んで奉仕していたのは最初だけ。浮いた血管が身体の内側を擦って、でか過ぎて無理矢理広げられるのが気持ち良すぎる。余った本体を撫でていた指が滑る心地に思わず締め付けると、余裕な笑い声が降った。
「さっきは外側じゃ感じなかったのに、ね?」
普段はこんなに感じない。そもそも客に悦くして貰った事は殆ど無いのに。
意地になって絞り上げるように圧迫すれば、息を吐くような喘ぎ声。イイよ、と言われれば頑張ってしまう。
さっさとイかせてやろうと必死なオレは絡んだ指を気にしなかった。
這わせた身体に回った指が軽く締まる。デカいペニスで削られた身体が余計広がるような、外側からの圧力で内側をごりごりと擦られる。
「イく、よ」
快感に目眩を覚えているとびゅくびゅくと体内に精液が吐き出される。ぎゅっと握り締められて、物のように扱われて、軽くイッた気がした。
最後の一滴迄絞るようにして、出された精液を移動させて透けさせる。どうやらオレの体内に自分の精液が見えるのはお気に召したようで指先で突かれて、目の前で吸収して見せた。


時間余ってるな、と思えば人型になれるか問われて、なってみせる。
「思ったより、ヒトっぽいね」
「殆どヒトだよ。ただ、骨とか無いから保つのが大変だけど」
男は一瞬、驚いて喋れるのか、と言った。
「こっちの時は肺も喉もあるから」
手招きされて目の前にしゃがむと髪を撫でられる。残った唯一のオレの特徴で、ピンク色の短髪。
「声が聞けるなら最初から変態してもらえば良かったかな」
愛でるように顔を上げさせられて、視線が這う。居心地悪さにペニスにキスを落とせばクスリと笑われた。
「骨が無いって事は歯も?」
「あるけど、硬くない。スライムのフェラは最高って聞いた事ない?」
指を口に突っ込んで口を開きつつ引っ張って見せる。歯の形をした物はあるが、白く硬くはない。
「じゃあ、して貰おうかな。一緒に、後ろ自分で解せるね?」
竿に舌を這わせると言われて、命令のようだと思いつつ頷いた。
ゴムみたいな感触の歯で扱くのは悦かったらしい。基本構造はやっぱりスライムだから、身体に入らない物は無い。喉の形を歪めて無理矢理奥へ押し込める。骨があったら顎が外れてるんじゃないだろうか。自由度の高い身体でも、この大きさは辛くて、指を動かすのが億劫になる。そもそも、デカくなかったら広げなくたって入るのに。指摘されては奥へ指を突っ込んでいる間にオレが保ちそうになくなってきた。
「もう、」
わざとらしく首を傾げられて、浅ましく出来るだけ煽るように強請る。
「ベッドで犯して」


色付けする魔力の余裕が無いからスライムの人型は色白。でも、オレは元がピンクだからほんのり桃色。白いローションを尻にぶっかけて四つん這いで誘う。広げた穴をグチュグチュにして広げた。
「スライムは濡れるんじゃないの?」
「オレは身体が硬めだから、あんま濡れない」
早く、と揺らしても尻を撫でられるだけ。焦らされるのは好きじゃない。
「良い色。興奮すると元の色が出やすいらしいね」
ぺちりと軽く叩かれて、広げた孔がヒクリとヨダレを垂らす。もう、ダメ。
「デカチンポで広げて、奥に精液ぶっかけ、ッあ、ア…………ふといぃ」
一気にカリが押し込まれる。ゴリゴリ身体を広げられて気持ち良い。だらしなく飲み込んでしゃぶる。快楽で緩くなっている筈なのに、固くてぶっとくて、引き攣る感覚で意識を保つ。この先も太いとか、理性保てる気がしない。勝手に腰が揺れて、誘い媚びるような声が漏れる。少しずつ奥に進めつつ、ギリギリ迄引くから一番太い所が何度も入口を擦ってヤバい。
「じらさ、ないでぇ……おねが、おく、ずぽずぽして」
「濡れないって言ったのにドロドロじゃない。溶けちゃったの?」
クスクス笑う声が背後から降って背に滑った手に煽られる。
「ぐちゃぐちゃにして、ぃいから、」
「良いの?俺の好きにしちゃうよ?」
ずるりと少し奥に進んで身体が近くなった。横に付いた腕の太さにドキリとしつつ、咥内に指が滑りこむ。散々チンポで味わったスライムの歯を確かめるように指が這って、舌と上顎を擽る。まるでこうして犯すよ、と言われるようで、余計に進まないペニスに焦れた。散々遊んで出ていく指に吸い付いて、笑われる。喉の奥だけのそれが腹迄小さく揺らして、お預け状態に喘ぐ。
もう、ダメ。嗤って詰って何をしてもイイから。
「好きにしてイイから、ぜんぶはめて、どろどろにしてっ」
首にキスが落ちて、腰が一気に突き進む。開かれた事のない再奥迄抉られて背が反った。無理矢理に広げられる快感に息が詰まる。
「あふ、ア……あぁ」
一瞬白く飛んだ意識を引っ張り寄せて息を吐いた。はしたない身体が疼いて、もっと刺激が欲しくなる。アホみたいに開いた後孔を締めてデカさを味わう。浮き出た血管にすら、感じる。
久しぶりに与えられる快楽に期待が膨らんだ。


ケツ掘られてるだけで、こんなにぐちゃぐちゃになるとか、未経験。好き勝手に暴れるデカいペニスが体内を削って、強すぎる快感を叩きつけられる。
「あ、ァ、はら、ごりゅごりゅして、くるしぃ」
は、と短い笑い声と共に勢いよく突っ込まれた。苦しいつってんのに。
「それが気持ち良いんでしょ?机の上で指突っ込まれても気持ち良さそうにしてたよね?」
「ぁう」
くっそ、コイツ言葉攻めっぽいのが嫌だ。無駄な観察眼を披露する。
「腹薄っぺらいから、ぼこぼこしちゃってるねえ」
筋肉も何も無くて一応の内蔵があるだけの腹を撫でられる。奥をぐりぐりえぐりして、肉越しに自分のペニスを探る手が厭らしい。気持ち良くないのと耳元で囁かれて、掛かる吐息にペニスを締め上げた。
「ぐ、あ、ん、きもちい」
イイ、と連呼すればお気に召したようで。気持ち良いよ、とひっくり返されて涙でぐちゃぐちゃの目元に舌が這う。
放っておいたって吸収するから良いのに。
じわりと涙と共にヤツの唾液が外皮から吸収されて、意識すると快感に変わる。ヘンタイ染みている、と思うと余計に高まった。
売られてるヤツとキスするヤツも居れば、しないヤツも居る。
唾液欲しさに舌を出せば、やや強めに噛んで咥内にぐちゅりと音を立ててベロが入った。食らうようにキスをしながらじゅるじゅる啜る。
スライムの弾力が楽しいのか、何度も舌を噛まれて、少しビビる。痛覚が鈍くても、断絶させられれば結構痛い。
「スライムはイク時、出すの?」
どっろどろだから説明させるな、と思いつつ客は絶対。
「どっちも、出したって外から吸っちゃう」
溶けても汗は出ない、出ても片っ端から吸う。べろりと自分の腕を舐めて、唾液が吸収される様を見せると納得したらしい。
クソ、余裕かよ。
「どうでもイイだろ。もうイきたい、イけよ!」
足を絡めて引き寄せる。オレより筋肉で重い分、ずっぷりデカい性器が沈み込んだ。
「っは、ァ……ふか、い」
身体がヒーヒー言ってんのに、強欲に喰らいついていく。伝達器官が通りまくった喉を晒して喘ぐ。
機嫌良さそうな小さな笑い声に薄めを開けると、真直ぐ見下ろす瞳にゾクリとした。
半分以上草食動物の筈なのに、肉欲に濡れて捕食者のように光っていて、喰われる、と思った。
オレの思考が見えているのか、喉を緩く噛んでガツンと尻を抉られる。衝撃に吐いた息が吸えない。目が回る。
「ぃく、いっちゃう」
何を言ってるのかもよく解らない。アホかってくらいにガツガツ奥を抉って引き抜いて、擦って、イイってだけになっていく。
喘ぎ過ぎで乾いた唇を垂れた唾液を舐めとりつつ、なぞって。
我慢出来ないって熱い吐息と共に、勢いよく内壁を先端でゴリゴリ広げて普通じゃ入らない奥迄嵌る。
「――ッ、つ、あ」
快楽が神経を焼いている、と思った。


久しぶりの過ぎた感覚にぼんやりしてると、後孔の入口付近、ヤツの根本がメキメキ膨らむ。
「ぐぁ……ぅ、るし、さけちゃ……」
内から壊される恐怖と、無理矢理広げられる快感に視界が跳んだ。
「犬相手にヤった事ない?」
うきうきした声に舌打ちしたくなるが、舌すらまともに動かない。逃げる腰を押さえられ、後退った足を引っ張られて更に結合部が密接する。
「ひッあ、――こあい、ぁ、く、いく」
ガクガク身体が震えて、引き摺り出すように絶頂に昇る。
生命を犯されて生存本能が働いているのか、無理な絶頂が辛い。
「あーあ、聞こえてないし。お腹一杯にしてあげるからね?」
密接したままの腰を揺すりながら再奥にびゅるびゅると精液を掛けられる。
アホみたいに、奥に当たってるとか苦しいとか繰り返しながら、長時間受け入れ続けた。




有難い事に、オレがぼんやりしてる間に延長申請したらしい。
明日の飯がマシになったら良いな、とのんびり思いつつベッドを占拠して腹を擦る。
「ったく、出し過ぎだろ。なんだっけ、牛馬犬だっけ?消化間に合わなかったから、腹たぷつく」
風呂上りの素っ裸で見下されてイラつく。人型なら身長はそう変わらないんだけど。
「でも悦さそうだったな?」
「煩いなあ、ケツであんなブッ飛んだの初めてだっつーの、デカチン」
薄い腹を伸ばして体内に残っている白濁を主張させた。やろうと思えば身体の仕組みは作り変えられる。
久しぶりに長時間だった事と太く大きかった事で、身体に違和感が残っていた。男の身支度と休憩の為だと解っていても、延長が有難い。
「面白いな、お前。此処の男娼はお前みたいな奴ばかりなのか?」
「なワケねーじゃん。クレーム入ったら折檻だって」
切られても抉られてもスライムの身体は殆ど痛みを感じない。切断されると悶える程痛いが、何度も耐えられる程丈夫でもない。スライムは簡単に生み出されて捨てられる。
「お前、名は?」
消えた隣人を思い出し明日は我が身と思いつ、客の言葉に耳を傾ける。
「ぁあ?あるワケないだろ」
そろそろマシになってきたな、と身体を起こした。疲労で芯の無い身体が異様に重く感じる。
「オレはプランツェン・ベグエタリスだ。覚えておけ」
「プラ、ツ……?」
「プランツェン・ベグエタリス。まあ、良い。好きに呼べ」
適当に応えつつ、暫く会話に付き合った。
これが、キッカケになるとは思いもせずに。
後編


END