TheRose
ツウイン編/雰囲気モノ/グロR18
隻眼
綺麗な眼玉だなァ、兄さんの 食べちまいたいぐらい
向き合って立ったツウを引き寄せる。
ふふっ 僕の事ツウって呼んでくれたら良いよ、食べても
マジで?
うん
インの長く尖った爪先がツウの左眼に当る。
ツウ、痛い?
気持ち良いよ
インの口端がにいっと上がり、唯一爪が短く切られた中指が眼孔に押し入る。
――ぐちょり
そっと神経を傷付けない様に掻き回す。
ん…
瞼を閉じようとするのを止めて左眼を抜き出した。
んぁあ…
未だ見えんの?
……見えるよ でも視界の左側はインの指ばかりだね
神経の繋がったままの眼玉を興味深く見詰めていたかと思うと、顔を近付けて口に含んだ。
っあ… 暗いけどインの口の中が良く見える …っんぅ
舌で眼球を転がし口のあらゆる処で弄び神経が伸び出ている眼孔を舐め回す。
あ…ん… ふぁ あぁっ
舌先で眼孔の奥を突付く度、ツウは鋭く声を上げる。
ツウ、気持ち良い?
そう、眼玉を口でそっと咥え問うた。
や…
ね、気持ち良い?
再び言って舌先で眼球を擽る。
…あっ やめっ
本当に止めて欲しい?
唾液の糸をワザと引かせて口から指で抓み出す。
あっ 嫌っ
インの長い舌が眼孔から口へと移動して、叫んだ所へと入った。音を立てる様にして嘗め回し唇を噛む。何度も何度も互いに求め合って息を荒くする。
っぁ
ツウは欲張りだなァ
んっくぁ
にっこりと笑いながら言うと、眼玉を摘んでいた指先に力を篭める。そして指から攫う様に舌で眼球を拾い含む。
――ぐちょ…ねちょり…ぐちょり
口を開閉させながらゆっくりと眼玉を舐め、眼孔を探る。
ん…あぁっ やっ
手枷の付いた腕でインを押し遣ろうとするが叶わない。
やめっ ごめんなさいっ あぁっ
ツウを抱き寄せた腕に力が入る。
ふっ いっ逝くっ
――ぶつり
がくんとインの中のツウの力が抜け、インの顔がツウのそれから離れる。
ちゃんと俺が食べる所も観ていて
ぐいっと意識を手放そうとしているツウの顔を引き寄せ、神経が口からはみ出ている様を見せ付ける。
――ごくり
するりと神経を啜ると、眼球ごと呑み込んだ。そしてゆっくりと床に膝を付く。
ヤバっ 気持ち良過ぎっ めちゃくちゃぞくぞくするっ
先程迄ツウを支えていた手が己の喉に伸びる。顎の下からゆっくりと喉へ、胸へと下ろす。
こうやってツウの眼が俺の喉を墜ちて逝ったんだ 解る?
解るよ 解らない筈が無いでしょう?
そうだ、そうだな 俺達双子だもんな
ゆっくりとツウの腕がインの胸へと伸び、優しく触れる。
僕の眼は今インの中に居るんだね 僕の眼球がインの中に溶けて、僕は本当にインの一部になるんだ
兄さん
その顎を掴みインは兄を呼んだ。
ツウって呼んでよ
兄さんの望む事ばかりしていちゃ詰まんねェだろ?
それを聞いてツウは苦笑しながら溜息を吐く。
仕様が無いなあ、インは でも、インらしくて大好きだよ
愛してる?
愛してる
じゃ、眼ェ瞑って口開けて
……?
良いから
ツウが言う通りにすると、インは笑んで自分の右の眼孔に指を入れ眼球を抜き出し神経を引き千切りツウの口へと押し込んだ。
んっ
良いから飲み込んで 噛んじゃ嫌だ
吐き出さない様に口を押さえて無理矢理飲み込ませた。呑み込んだツウは涙眼でインの顔を悲しそうに見上げる。
イン…
兄さんのだけ俺が取っちゃ不公平だろ?
触れるだけのキスを送るとそう言って、ツウの空洞になった眼孔の周りを撫でた。
もう、インは我侭なんだから
そう怒りながらも笑って、同じようにインの眼孔の周りを撫でる。
でも、インの眼が僕の中に在るんだね インの一部が僕の中に溶けるんだね
ああ これで本当に俺等は繋がったまんまだな ツウの一部が俺の一部になるんだ
そうだね 姐さん達が僕等を見分ける特徴も増えた
二人は笑いながら抱き合う。そして涙のように流れ出す血が止む迄互いに舐め取った。