TheRose
ツウイン編/雰囲気モノ/R18
日常
兄さん、居る?
居るよ
真白な部屋に同じ声が響く。
良かった 兄さん、一緒に出かけない?
良いけど、何処に?
部屋の奥迄来たインがツウを見付け、寄り添う。
何処でも良いよ 俺は兄さんとお出かけがしたいから
デート?
くすくすとツウが笑みを零す。
でも、折角だから街とか混み合ってる処が良いかな
それを聞くと、ツウは首を捻る。
何で?
何となく 面白そうじゃん
そうかな 僕は余り人間の多い処は嫌いだけれど
だからだよ、兄さん
甘い笑みを兄に注ぐ。
ね、行こう?
良いよ、インの頼みだものね
インが嬉しそうに、顔に花を咲かせる。
やったっ 久しぶりだね、二人で外出るの
そうだね でも、髪が目立つからなあ 兄さんか姐さんに帽子でも借りようか?
んー…俺、この色も兄さんの色も気に入ってるから隠すの嫌だな
そっか なら良っか
二人でくすくすと笑いながら額を当てる。
ね、兄さん
何、イン?
俺達の髪の色の事覚えてる?
ラン姉さんが…ってやつだったっけ?
そうそう ちょっとした隙に兄さんと俺とどっちがどっちだか判らなくなっちゃってさ
それでラン姉さんが髪を染めるって言い出して
リー姉が止めようとしたけど、なら刺青を彫るとか言って
そこに居たヤン兄さんに毛染液を探させて
それで無くて、ウィザー兄に頼んで
髪の毛自体の色を変えちゃったんだよね
お蔭で俺達の髪は染めなくてもこんな色
でも、綺麗だよ、イン インの髪は月の下でも太陽の下でもどんな灯りでも、光を受けるときらきらと光るんだよ 真暗な所でもね、その銀色が浮かび上がるから僕は夜、暗くてもインとなら、灯りを消して眠れるんだよ 僕のなんか半端な色だから
そんな事ないよ、兄さん 兄さんの髪は深い海の色みたいで、綺麗なんだ 青でも無い、黒でも無い、だからと云って紺でも無い 手を伸ばしたら届くのに、何時迄も届かないような、不思議な色なんだ だからどんな夜でも兄さんを求めて居られる
イン…
愛してるよ、ツウ
僕も愛してる、イン